「しあわせの桜豆腐」

日記
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みなさんは

「しあわせの桜豆腐」

という話を聞いたことがあるだろうか。
誰もが一度は口にしたことのある豆腐。これは一言で言うと豆乳とにがりをまぜて
作られるのだけれども、あることをすると鮮やかな淡いピンク色に染まるという。

今日はそんな話をしよう。

 

作り方初期の段階で大豆を半日ほど水につけ、
細かくすりつぶしたあとに沸騰したお湯に入れるという行程がある。

この時に普通は水を沸騰させたお湯を使うのだが、
桜の花びらを鍋いっぱいに浮かせ、そのまま沸騰させる。

すると花びらの色そのままの、淡いピンク色のお湯ができるという。
これを使い、豆腐を作ると上記の桜豆腐が完成する。
では、なぜこれが「しあわせの」なのか。
実はこの豆腐、作るのがものすごく難しいらしい。
桜を使ったお湯を使うとなぜか固まりにくく、また桜の咲いている時期に限定され、
作られる地域も久留米の山奥の一部の町だけ。
生産量も年間にしてわずか10丁前後ほどだと言う。

手に入れることがどれだけ難しいかは、言うまでもない。
あまりにも貴重な豆腐だからなのか、詳細な理由はわからないが

食べた人間には必ずといっていいほど良いことが起きるという。

 

・食べた年に結婚が決まった。
・赤ちゃんが産まれた。
・癌を克服した。
・痴呆が治った。
・景気が悪くシャッター街になろうとしていた商店街が賑わいを取り戻した。
・ゲートボール大会以来一生口もきかないとあんなに仲の悪かった
ウチの爺さんと隣の加藤さんが一緒に楽しそうに盆栽の手入れをしている。

奇跡としか言いようのないくらいの出来事がまわりで起きた、
とばあちゃんは言ってた。

1歳だった孫の僕を膝に乗せ、縁側で庭の桜を見ながら初めて桜豆腐を食べた時に

「これがしあわせなんだ」と

実感したという。

 

あの時孫と見た風に舞う花散る景色をわたしは一生忘れないよ。

ばあちゃんは目にうっすらと光るものを浮かべながら、
満面の笑みで僕にこう語りかけていた。僕も思う。その光景を一生忘れない。

 

 

…と。

言った話を
2月始めから冷蔵庫に入れっぱにしておいたら
カビがはえまくって淡いピンク色になった豆腐を見ておもいついた僕。
20代後半の社会人です。今一番したいことはばあちゃんに謝りたい。
ごめん、こんなのに出演させてしまって。

 

「こいつにこんな側面があるなんて~。ちょっと感動しちゃったじゃないの、バカ」
なんて、一瞬でも思ってくれたアナタのこと大好きです。
いませんね、はい。知ってます。では今から「桜豆腐」のゴミ捨てにいってきます。

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