転職失敗経験から学ぶ、ブラック企業を見抜く4つのポイント

転職
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転職でブラック企業を引かない方法、というよりも「どんな基準で企業を観るか」ということを少し書いてみたいと思います。

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ブラックの後にブラックを引いてしまう理由

仕事に対して「本音では」何を求めていますか?
この問いに対しての答えは

  • 経験を活かしたい
  • 新しい仕事にチャレンジしたい
  • 地元で働きたい/転勤なし
  • 年収up
  • 年間休日数120日
  • ライフワークバランスを重視したい
  • 残業30時間未満
  • 飲み会行かなくてもOKな社風
  • 接待もしたくない

などたくさんあると思うのですが、ネガティブな理由で転職せざるを得ない場合、そのネガティブを避ける、ことが最優先になります。

  • あまりにも休みがなさすぎる場合、これまでの経験値を多少捨ててでも「年間休日」を取りに行く選択
  • 人間関係であれば、「年代の同じ(違う)人たちがいる場所」「同性(異性)が多い場所」のような選択
  • ノルマを無限ループで追い続ける営業に心から疲れてしまったから「人と関わるのが少ない」職種を選択

といったような形です。エージェントでも求人サイトでも、求人を探す際にその要素を無意識に避けているんです。当然ですよね、それがトリガーになって転職するわけですから。けどそれが落とし穴だった、ということに気がつきました。

続けられる仕事かどうか

と、いうのも正直、やめようと思えばどんな企業でも強い意志さえあれば退職は可能(労働基準法と過去の経験上)なのでそれよりも未来に目を向けることの方が大切。ただ、その未来を選択する際に客観的な判断ができなくなっている可能性が非常に高いです。

転職のきっかけになることがネガティブな状況の場合、その一点だけがなければ、「ずっと仕事を続けられるか」
それだけだとおそらくNOです。

実際にやってみて、「違う」となった場合に、やり直しが効かないことになります。職歴は無駄にひとつ増えるし、異業界への転職であれば業界知識をゼロから学ばなければならない。自分の中に比較対象や判断基準がないことは想像以上に大きく、事象を客観的に観ることが難しくなります。
なので「これまでの経験と大きく離れることなく多少苦しくとも、無理なく続けられる、喜びや満足感を得られる仕事」を選ぶことは忘れてはいけないです。1日の1/3はそれをやるんですから。結構な時間です。

陥りがちな「求人票の言葉」

また、企業は「どんな人が自社に合うのか」「どんな人が辞めて行くのか」をそれまでの歴史から、体験として知っています。
「あの人は◯◯な理由で辞めたなぁ」とか
「あの人は××があるから続けているんだなぁ」とか。

離職、退職者の多い企業は当然認識しています。改善しようと努力するところもあれば業界構造上改善がほぼ不可能で、見て見ぬ振りをしているところもあります。(良し悪しの話ではないです)当然ですが外部に出す情報には耳障りの良い言葉が並ぶようにしてます。

曖昧で抽象的な、どうとでも取れるニュアンスの言葉が多いです。「人によって定義が異なる言葉」は認識齟齬の始まりですから。

  • クリーンな環境/働きやすい環境
  • アットホーム
  • 成長
  • 時代の流れや変化に対応している

そして何かしらブラックな経験をした人は、次またブラックを引くんじゃないかという不安を抱きながらどこを受けるかを決めていく。貯金との戦いは期限をきっていたとしても焦りが出てしまう。
そういった不安や焦りを抱いた状態で惹かれた「言葉」が今の自分にとって何なのかを知っておくと次にブラックを引く可能性を多少は削れます。
ツッコんでみてみてください。「いやいや、それを決めるのはお前じゃなくて俺やから」と。

ブラック企業を避けるために見るべき4つのポイント

「じゃあどうすんねん。それを避けるのが1番やのに」
となるんですが(過去の僕が)

やるべきことはシンプルなんだなーと思います。
自分軸と、会社軸でそれぞれ見るべきポイントさえハッキリと抑えておけば良いんだなと。
自分軸と会社軸は重なり合うことが多いのですが、優先順位は当然自分軸。

  • 理想とする生き方をキャリアプランから描く
  • 職能という観点
  • 未来よりも過去に向き合う
  • 会社は全て「数値」に置き換える

ひとつひとつ説明します。

理想とする生き方をキャリアプランから描く。

キャリアというものを「どう捉えたら良いか」最近まで全然わかんなかったんですが色々な方に相談するうちに「あーそんなもんかなー」くらいのものがイメージできてきました。(10代後半で知りたかったぜ)

a.30歳になった時、〇〇という会社で××をやりたい。
b.今後ずっと〇〇の道を極めたい。

仕事内容のみで軸を考えるとa.かb.どちらになるか。自分の「やりたい」と会社の「やりたい」が合致することが理想ですがそこに向かうにはやはりそれなりに準備や経験が必要で。まずそもそもそんな会社に出会えるか、という部分から始まり、仮に入社できて理想通り、となることは相当希なことだなぁと。また、もしブラックを経験していたら「会社には依存したくない」とも考えているのではないかと思います。

だからこういう事象を先に描く。

  • ○年後に結婚する。
  • どこに住みたいか。(例:子供は地元で育てる/親のそばにいてあげたい、など
  • 家を建てるならこのあたり。
  • 新しい車が欲しい

などの個人的な事象を最優先に目標を立てる。必要な金額もセットで。望む生活の枠内に仕事がある、と考えると会社がどうであれ頑張れます。大事なのは会社の目標じゃなくて、自分の人生の目標。ワクワクの全ての源泉は他人ではなく自分にあると、それは結果的に周りの人をも幸せにする。僕はそう考えます。

職能という観点

転職では何かしらのマイナス(というより前職との違い)を受け入れなければならない。これは絶対。
仕事内容、社風、年収、人間関係…etc
その違いをどの程度まで受け入れられるかは入社しないと正直わかんない。

会社ありき、で物事を考えるから失敗してきたことがよくわかりました。
それよりも「普遍的な能力」を身につけること/職業能力で生きていくことを考えるべきだと。
毎日がむしゃらに頑張って営業して数字あげて、「よし、スキルアップや」と思っても営業軸から逃れることができないものなんですね。
↑が転職前に計画的にやるべき「準備」のうちのひとつです。

新しいことにチャレンジするならば自分が生きてきた経験から紐づくようなものの延長で考えるとズレが少ない気がします。
現在の自分のスキルとやりたいことを棚卸ししていきます。
スキルとしては会社独自のもの(社内システムや社内ルール)でなく一般的なものが理想。
例えば

  • HTML/CSS/JavaScript
  • 英語/中国語
  • Excel/word
  • 簿記
  • 業界内知識

こういったスキルが実業務としてどれくらいできるのか、の証明として資格を取得するんだなと。
この辺りを書くと別記事で準備しないと膨大になりすぎるので、、今回は省略しますが会社とは「仕事を行い、対価として報酬を得るだけの」場所と認識するのが良いです。

終身雇用なんて時代でもあるまいし。生きていくための力は必要です。
それは良し悪しの話ではなく、そういうモノなんだなとある種割り切った上でどう生きていこうかと考える方が合理的で気持ちが楽です。

向き合うのは未来よりも過去

会社のビジョンや理想に向かって共に進んでいくような生き方を選択する場合、当然課題や困難が立ちはだかります。
そんな時に一緒に力を合わせてやっていける「人」がそこにいるかどうかはかなり大きいです。

例えばベンチャー系の会社に中途で入社して外すと爆死します。
ベンチャーはやはり制度面、待遇面などが整ってないことがあり、未来に対して夢は見させるがそれは足元に目を向けさせないため、という場面、本当に多いです。前だけを信じながら何十時間も働き続けることが好きならば理想的環境ですが家族、プライベートな時間を取りたいなら避けた方が無難。それよりも過去の実績(事業内容や社員数、沿革など。詳細は後述)を見て判断する方が労働環境面では失敗が少ないです。


この「過去に向き合う」ということは「自分自身」にも当てはまります。
次をイメージする際に求人を見て勝手に妄想してしまうことが多々あると思いますがそれが危険。現実でない可能性が圧倒的に高いです。これまでに携わったことのない仕事であれば、必ず現実を見た方が良いです。体験できるならしてみるべきです。

過去の自分がどんな仕事をしている時が楽しかったか。辛かったか。何があれば頑張れるのか。辛い経験をしたならば、思い出すことすら阻まれるかもしれませんがそこに必ずヒントがあるんです。
大切なのは、労働環境か、仕事内容か、働く場所か、人手不足の深刻さはもう仕方ないです。だから向き合うべきは自分。大丈夫、可能性はきっとある。

会社を全て「数値」に置き換える

ここからは会社軸メインでの話をしていきます。企業選びの軸の絞り方です。
企業の判断材料としていちばんは財務諸表や貸借対照表、四季報などを読んでいくことですが、現在猛烈に勉強中で記事にできないので(すません)今回はすぐにできる方法を記載していきます。

HPの読み方

法人を1人の人間として見てみる。法人が誰なのか、という側面が会社そのものや社風を表しています。

例えば従業員が100人いて本社が大阪、全国に支社が5つあるとします。単純に割るだけで拠点ごとの人数が見えますよね。支社ごとのばらつきはあるにしてもだいたい15〜25人で1拠点。そこでの年齢構成を面接時に見る。もしくは聞く。
ということをするだけでも今の職場環境と比較することができるようになります。

また、既婚者の割合、勤続年数なども安定して働ける指標になります。
逆に全従業員の割合のうち20代が、40%以上を占めているような場合は、少し立ち止まった方がよいかもしれません。
他には従業員100人未満で役員の中に同じ苗字の人がいる場合は同族企業(内情は入らないと見えない)家族経営に近いかもしれません。
オーナー企業の場合は、社長や面接官よりも、働いている社員さんの目を見ればなんとなくわかります。
違和感がある時は避けて正解かと。

設立・創業(生まれて今何歳ですか?)

労働環境ベースで会社を見る際、福利厚生や会社の制度は大事な指標のひとつ。設立からの年月はひとつ参考になります。

10年未満であれば高い確率で制度が整っていない、もしくは存在しない可能性があります。
20〜40年くらいなら経営としては固いのかな。
50年以上は古いです。前時代的な可能性大。

くらいの感覚からスタートして情報を見て行くと良いです。
また会社の創業からの歴史が50年あるとしたら、その50年で扱う商材がどう変化しているかを見ることも大切。
(業績がよかった当時の時代背景などもあるため。)

事業内容(商売相手が誰なのか)

会社である以上、取引先があります。それが具体的にどんな会社なのか。実際に見ておくとプラスに働きます。
相手先が個人であれば、その個人が休みの時に自分が働くことになりますし、法人であればその企業のHPなどまで見ると違った側面の情報が掲載されていたりもします。

求人広告はただの「入口」でしかない

会社に入社したものの面接と違う話になりそう。ということは割と発生します。
求人広告は基本的に良い部分にしか日が当たってないから過度に信用するのはNG。
賞与あり、でも残業代あり、と記載あっても求人広告ではなく就業規則。
そしてそれが運用されているか、労働環境ベースで職場を探すなら見るべきは実態です。
vorkersや転職会議はもちろんチェックしますがアレも鵜呑みにはしない。必ず自分の目で職場を見る。

  • 平日21時以降に会社の前を通る、とか
  • 土日に会社の前を通る、とか
  • 面接官でない社員の目を見る、とか
  • どんな言葉が飛び交っているか、とか
  • PC画面の中を見る、とか

こういった側面を見ていくことで直感から来るような違和感があったなら避けておいて無難です。

面接のやり取りそのものが会社を表す

面接時間が30分だった時、1回しか面接がなかった時、その時間で集まった情報で採用するかしないか決める、ということです。
採用のミスマッチにつながりやすく、早期離職につながります。
会社側も採用された側もお互いにダメージを受けるので判断基準がない場合は内定辞退も無難な選択肢。
また、面接の質問内容から、会社側が気にしている事象を知ることができます。
「人が質問する」という行為の背景には「知りたい」がありますから。

「お酒は飲みますか?」→絶対仕事がらみでお酒出てきます。
「仕事が辛くなった時に何をモチベーションにしますか?」→仕事が辛くなることが多いんだろうなと解釈します。楽な仕事はないですけど。
「家族構成を聞かれる」→親の介護などを気にして、ということもありますが基本的に昔の会社です。今のご時世でそれを聞くこと自体がNGですので。

また、個人的にですが志望動機や退職理由などはあまり隠さず伝えられることは率直に伝えた方が良いなあと感じました。お互いを知り合う場なので本音で話してどう捉えるか/捉えられるか、ただそれだけなんだなと。そこから話が発展することも大いにありますし。

また、会社側の採用の背景を聞くことも意外と効力発揮します。(執拗にやりすぎると扱いづらい奴でしかないので雰囲気見ながらですが)

転職と恋愛についての昔の記事にも似たようなこと書いたんですが会ったことのない人間だとして初めて会った人のことを信用するかどうか、って考えるとわかりやすいです。
知らない商品、知らないものだったりするとどうしても判断基準が持てない。少しずつ時間をかけてお互いを知っていくものなので、本質的には信頼のおける関係性が既にあるような会社/社員の所に転職して行くのが失敗が少ないように感じます。

現在ブラックに就業しているなら「キャリア」よりも「生きる」

正直、関わる理由はないです。生きること最優先です。
次が決まってなくても辞める。転職エージェントの方にも言われました。健康が第一です、と。心や気力を失うことの方がダメージが大きいです。
就業規則に則り退職手順を踏み、後ぐされなく辞めるのがベストです。が。悠長なこと言ってられない状況ありえますよね。
民法上で14日間あれば退職は成立します。退職とは労働契約の解除であり、それを拒むことはどんな会社でもできないもの。

僕は専門家ではないのですが、労働局に電話した時も、直接相談に行った時も同じことを言われました。(人生で計3回です汗。)
労働局にアドバイスをもらいに行くのは無料ですし、何より外部に話をできるだけで得られる安心感と専門知識は大きいです。あなたの状況に合わせて労働局に相談後、労務問題に強い社労士や弁護士に相談するのが良いかなって思います。

ブラック企業の定義と手法

ブラック企業に明確な定義はないですが人間関係、パワハラやセクハラなどの各種ハラスメント、人格を否定するような発言。
のような自分が精神的に、体力的に、心が辛くなっていく状態になってしまったらブラックで良いのではないかなと個人的には思います。

続きます。
諦めずに良い職場を探していきましょ。

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