WEB制作に入る前に必ず考える必要のある「ユーザーインサイト」検索キーワードから人が訪れるWEBページを作成するためにやるべき第一歩。
ユーザーインサイトとは
元々Insightとは洞察力という意味合いの言葉ですが、マーケティングにおいてはユーザーの深層心理を指します。
例えば、とある会社の製品をどんなユーザーが利用しているのかリサーチするためには年齢・性別・居住地・趣味・好みといった顧客情報が必要。現在の売上構成及び、今後の売上を伸ばすために重要な情報であること言うまでもありません。そして更に大切なのは
といった「なぜ?」の部分。ここに本質的な原因や理由が隠れていることが多い。その真因に当たるモノをインサイトと呼びます。
このユーザーインサイトを検索の場面で利用する場合、ユーザーを検索した人と定義し、インサイトという言葉を「検索ユーザーの心理」という意味合いでよく利用していました。
検索キーワードには大小様々な「疑問」が存在しています。人はなぜ検索するのか。疑問に対しての答えが知りたいから。課題を解決することがビジネスの基本だとするならば、検索キーワードは宝の山ということになります。
WEB上に存在する疑問に対しての解決策を掲示することはユーザーのニーズに沿ったWEB制作であると言えます。
インサイト発掘に必要な健在ニーズと潜在ニーズ
ひとつ事例をあげたいと思います。
「転職 営業」という検索キーワードがあります。このキーワードを検索したユーザーは何を知りたいのでしょうか。パッと思いつく理由でも2つあります。
営業「に」転職したいのか(Aさんと定義)
営業「から」転職したいのか(Bさんと定義)
意味合いがまるで異なりますがおそらくどちらも(両方のニーズが存在するという意味で)正解。であれば2人の知りたいことは
Aさんのニーズ:営業に転職するためには何が必要なのか。
Bさんのニーズ:営業を辞めて別の職種につくためには何が必要なのか。
さらに2人の心理(気持ち)を探ります。Aさんはなぜ営業に転職したいのか。Bさんはなぜ営業を辞めたいのか。
Aさんは現在公務員だが、日々の単調な仕事と人間関係にうんざりしていて現在の仕事が苦痛で仕方がない。人と話すのが好きな性格で今の職場を離れるためにどうすれば良いのかいつも考えている。
Bさんは現在銀行の営業だが、日々のノルマが過酷すぎてつらい。残業も多く23時以降帰宅する日々が続き、心身ともに疲れている。特に心から売りたいと思えない商品を売らなければならないことが苦痛で、あまり人と関わらなくてよい仕事をしたいと考えている。
上記はあくまで例ですが、ひとつのキーワードでも知りたいことがまるで違います。WEB上で課題解決を行うのであれば、Aさんのニーズに応えるのか、Bさんのニーズに応えるのかを決めなければならない。制作に落とし込む場合、必要なページはAさん向け、Bさん向けと別々のものを用意するべきだと捉えます。
2人が知りたいこと自体:健在ニーズ
なぜそれを知りたいのか:潜在ニーズ
潜在ニーズに気づくための2つの方法
健在ニーズは既に言葉として存在しているため解決策を考えるのは比較的簡単ですが、その本質は潜在ニーズの中にあります。
健在ニーズを満たしても本質的に満たされない場合もあり、逆に潜在ニーズを言語化し抽象化できれば、別の事例に応用させることも可能になります。そして潜在ニーズは無意識下にあるとも言われており、本人すら気づいていない場合もあります(後述)
その潜在ニーズに気づく方法は大きく2通り
自身が既に経験していること
1つ目は既に自身で解決している・出来ている場合。
インサイトとは潜在的な欲求や気持ちから生じるモノ。「転職 営業」というキーワードの奥底にどんな気持ちが存在するのか。営業をしたい気持ちも辞めたい気持ちも自身が経験済なら、程度は違えど共感できる。ということは完全ではないにしろ、解決策を掲示する道筋もイメージしやすくなりますし、その言葉には説得力を伴います。
余談ですが、伝え方の部分も考える必要があります。「転職」という事象に対してどんな人がアドバイスを行っていれば言葉に説得力が出るか。
- 人材紹介会社
- 派遣会社
- キャリアコンサルタント
どの人の言葉を信じるか、最終的に決めるのは相談者ですが日々その事象に携わっている方々の言葉の方が言葉の重みや信憑性は強くなりやすいです。
解決済みの事象を活かせる領域がどこなのか。その知識を集積し、言語化し強みとして売り出していけばそれだけで集客は可能になります。
なぜ?を繰り返して仮説を立て続けること
2つ目は本人が潜在ニーズに気づいていない場合を想定し、深堀ヒアリングを行うこと。Aさんの課題を本質的に解決するのであれば、今すぐに営業に転職を進めるのではなく、深いヒアリングを行うべきです。
様々な角度から質問を行うことで思ってもいなかったキーワードが聞ける可能性があります。それを拾ってつなぎ合わせていくことで潜在ニーズにたどり着けることがあります。
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