東のエデンを見て思ったこと。ニートと義務教育と面接についてのお話。

転職
この記事は約10分で読めます。

かーなり今更ですが東のエデンを見まして。
割と社会派なアニメで、この国の閉塞感とか空気とか、団塊世代VSニートの構図とか、内容はそんな感じ。

11話にまとめるために色々端折った所もあるのでしょうが…
まとまりきれず映画での完結の背景には商法というか大人の事情というか色々あるのでしょうがそれはさておき…

ラスト手前のタクシーの中での会話は今の10代、20代と50代以降のそれぞれの視点を所々織り交ぜながら話しているように感じてすごく面白かった。

簡単なストーリーはまとめを見ておくれ。(ネタバレはないのでご安心)
【アニメ】現代社会に物申す「東のエデン」に感心する。
そこからふと思ったお話です。

スポンサーリンク

ニート歴のある面接官が思うこと

ここ最近ずっと、会社で面接官をしてまして。よく20代、30代とお話をすることが増えております。
職歴のない方にもかなり会いました。

今でこそ会社員してますがニート経験も無職経験もあり、東のエデンではないですけどニート側の気持ちを理解でき、かつ、
その子たちの背景も想像しながら穏やかに質問をするなんて理解のある面接官なんだ、と勝手に自負してます。
(完全に自負です。そっとしといてください)

面接に来る20代の子と話をする中で、きっと今の社会に対しての負の側面の影響を受けているんだろうと思う場面によく遭遇するわけです。本当に。これがまた。
取引先の社長さん達ともこんな話することが、かなり多くてですね。

その子の興味ありそうな分野のことをアレコレ投げかけてみても
「はい。そうですね」の一言で会話終了なんてことはザラで
強みとか、あります?と聞くと
「コミュニケーション力ですね(キリッ)」
(コミュニケーション力って会話する中でその有無を判断するものでですね…)

「将来やりたいこととか、2年後、3年後どうなっていたいですか?」と聞けば
「御社のお役に立ちたいです」(無理してそんなこと言わなくてよいのに…)と、まぁそんな具合な訳です。僕の質問スキルが低いのも原因なのでしょうが。。
「こう答えなければならない」とか「こう言えば受かる!」とか

そんな風に考えてさせてしまう面接という場そのものを変えねばならないようにも感じてます。

意思のない子が生まれる背景

こういう現状に対して納得感抜群なオススメな本があります。

どんな本かサラッとなぞると義務教育を行う学校(と運営する国や政府)の目的は子供の自立でもなんでもなく経済社会を拡大させるために必要な人間の育成。
従順で、意志を持たず言われた通りに行動できる、自我を持たない代用の効く人間の作成、というもの。これを現実に教師をしていた時の具体例と照らし合わせながら書かれています。

ベストセラーになったそうで例えば

  • チャイムがによる集中力の欠如
  • 退屈な時間の繰り返しによる好奇心の欠如
  • 年齢による区分け
  • (出席)番号による個人の管理
  • 学力のみを唯一の物差しとして、それがこれから先(経済)社会で生きていく上で優位に立てる条件だと教えること
  • それらの環境に12年間という長い月日をかけて慣れさせること

といったことを行うと待ちの姿勢でどちらかといえば消極的、聞かれたら答えるがそれ以上はその個人の意志が反映された返答が返って来ず、
目線や表情からもなかなか本心が読み取れない(本心などないのでは?と思ってしまう)
基本的に無関心で、怠惰で、権利は主張するが何かに依存しなければ生きられない、娯楽と快楽に溺れた人間を沢山育てられます。

(草食系と言えばそこまで悪くとられないかもしれません)
強い意志を秘めているならまだしも、あまりにも絶望や退屈感が大きすぎて無気力で無関心、意志が感じられないようにまでなってしまっていたら、義務教育は大成功ということになります。

自分の頭で考えることができるようになるとマズイということでしょう。(チェーン店や大型商業施設のようなお金を生み出すものが存在できなくなりますからね。)
1店舗でやっては結果が出ないものでも、大量生産するからこそ利益の出るものが世の中には沢山。

ただその前提条件としてそこで働く人たちが素直に働くということがあります。(低賃金でも)

また消費者側も特に必要のないものでも買うこと。消費が「存在する」ことが前提にありそのお互いの前提条件を作るために学校が存在している、と。
そういう内容です。
他にも消費の本質や、地域社会との比較、財団のことなど突っ込んで色々書いてあります。

面接に落ちること=悪、ではない

そんな義務教育が必須項目として行われている訳ですからやりたくない勉強を延々とさせられ続け嫉妬文化と恥文化で出る杭は打たれることでしょうし、個性なんて伸ばせません。
そうやって出口が見えなくなればニートも量産されますよね。

イチ元ニートから言わせてもらえば「そんな社会で働くなんてまっぴらごめんだね」ってのは自分の気持ちに正直なだけですよ。

そんな話も踏まえて個人的な感想ですが面接時に知りたいのは
「聞かれた質問に対してこの人は何を思うんだろう」
ということです。別に正解はないです。ただ、質問に対しての返答を元にその人が

  • 業務内容と合うだろうか
  • 他の社員との相性はどうだろうか
  • 会社が必要とする要素を持っている(もしくは今後可能性がある)だろうか

などの会社の現状と照らし合わせながら判断しているにすぎません。その時その時の状況に応じて必要とされる人材は変化します。
会社は利益を出さないと存続できないのであくまでそれを前提にその人のことを見ています。
決して
面接に落ちる=自分を否定された

ではありません。仕事を探す側だった時によく「また否定されたわ…」と思っていたのですが一概にそうでもないなとこちら側をするようになって思います。

面接に落ちた理由は絶対に口外されない

ただ、面接に落ちた理由を企業側が言うことはありません。「弊社採用基準により今回は残念ながら…」で終わりです。
第3者が介入していない分、理由を本気で言い合ったとしてもそれは今後のためになるよりもトラブルに発展する可能性の方が高い。お互いのためです。
むしろ落ちたことにより入社後に発生したかもしれない採用のミスマッチ(例えば絶対的にウマが合わない人と過ごし1ヶ月で辞めることになった等)をなくすことができたと考えた方が気持ち的に楽です。

また個人的に大切だと思う最大の要素は「一緒に働きたいと思えるかどうか」です。

会話が弾むかどうか、この人のことをもっと知りたいと思えるかその上で一緒に仕事したら楽しそうだな〜とイメージが持てるか、そんなことを気にする様になりました。
そしてそれは仕事を探す側にも言えることだとも

企業を求職者が選ぶ時代へ

今までは企業が「雇ってやっている」という感覚が強かったと思います。
なんかこう、上から目線な感じで。で、それに不満を持ったとしてもなかなか言えず…。
我慢がギリギリ限界まで来て唯一戦える手段は退職届。

「雇ってもらっている」ことは間違いなく事実ですなのですが今後はそれが覆っていく時代になります。

というのもこれから先、日本の労働人口が減っていくことは確定しているので企業側も人材確保が難しくなっているのです。
例えば

離職→求人する→人が集まらない→別の社員の業務過多→その社員が離職…
というループに一度でも入ってしまえばその離職の根本的原因を突き詰めて改善しない限り
企業側も選ばれなければ淘汰されちゃいます。

だから逆に言えば、必要とされる人材であり続けさえすれば
所属する会社がどうなろうと「仕事には困らない」と。

いうようなことを面接官をしながら痛感しました。
面接日に面接に来ないなんて当たり前な時代で。面接に時間通りに来るということが凄い時代で。就職しても3日で辞める人が多数な時代。

すごいなぁ〜。
だからそういう義務教育を受けてきた子たちを本当の意味で教育しなきゃダメなんですって。

「え?会社は学校じゃない…ですって?」
学校ってのは上述した通り、そういう場所なんですよ。なんとまぁ根が深いこと深いこと。そりゃそうですよね。何百年もかけている訳ですから。

ただ、闘っていかないといけないんですよね。少なくとも自分のまわりくらいは。

電子マネー1円はこんな感じで受け取りました。素敵な作品をありがとうございました。

11話+劇場版2話でサクッと見れるのでアニメなんて普段見ない方も是非見て欲しいなと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました