グローバル化、国際社会に対応できる人材が今後は必要、みたいな話をよく見たり聞いたりしますね。
最近は英語教育を小学生から行うかどうかだったり、外国にいる日本人を取材したり、逆に日本にいる外国人を取材したりするテレビ番組が増えてますよね。
そんなにテレビは見る方ではなかったけれど「こんなに多かったかなぁ」と思うくらいに増えている気がしてます。コンビニで働く外国人の方もよく見ます。1年の海外滞在経験から思うことを少し書かせてください。
グローバルな人材の定義
僕が思うグローバルな人材とは「違いを受け入れることができる」人に「なる」ことだと思います。
言葉がたどたどしくても、相手の言うことを理解できなかったとしても、必死に理解しようとすることそのものが大切なんじゃないかなぁと。間違っても「否定すること」ではないと思うんです。
迷惑な隣人の話。
共通認識が取れない
以前インド人が僕の隣の部屋に住んでました。
ベランダで煙草の時にたまに一緒になって話したりしましたが彼にはひとつ問題点がありました。
共用部とか冷蔵庫にある僕の食材とか、シャンプーとか、ビニール袋とか、よくパクりやがるんですね。
明らかに減ってるんですね。状況的にもコイツしかない…んですよ。こういった話は友達もよく経験していたようでそれで喧嘩が頻発する。
それが結構な頻度で続くのでさすがにちょっと頭にきて「使ってるだろ」と尋ねても絶対否定するんです。で、詳しくツッコミたいけどそれ以上に言葉が出てこない。
あぁ悔しいチキショーこいつマジで腹立つなぁ
みたいに思うだけで話は一向に平行線。
結局彼は否定し続けていたので真相はわからないままですが、同棲禁止の家で彼女連れてくるし、その友達?も連れてきて一時一部屋に3人住むせいでトイレはいっつも混雑、シャワーもあびれない、おまけに夜遅くまで騒ぐしで「こいつら約束なんてあんまり関係ないんや…笑。」と思ったことがありました。
相互理解には何が必要?
こんなとあるシェアハウスで起きたあまりにもどうでもいい一件ですけど、
それでもここで一番やってはいけないことは一概に「インド人はこうだ!」と決めつけてしまうことじゃないかと。
もし仮に、他にも同じ様な目にあった人がいたとすると約束を守らない可能性が「高い」かもしれない。
けどもしかしたらインドでは人口が多すぎて生きるためにそれは「当たり前」のことなのかもしれない。人のものをパクるのは自分が「死なないため」だとするならば、それが彼のスタンダードでそうしなければ生きて来れなかったとしたらさすがに「うっ…」と少し思う。
それでも「ひとつ屋根の下で生活するんだから、約束は守ろうよ」と思うのがこちらの意見。そこでお互いに「どう寄り添っていくか」が相互理解ってことかなぁと感じます。
当然そういった時に言葉の重要性は感じるし、譲歩しなければならない可能性はあるだろうし、どうすれば彼の癖はなおるかなぁとも考える。どう伝えれば気づいてくれるかなぁと。
当たり前が当たり前じゃないことを受け入れられるか
グローバルってそんな「当たり前が通じない」相手が商談相手だったり、顧客だったり、消費者だったりするってことだと思います。
だから前例に沿って言うなら、そういう背景(地域性や男女比、年齢層に嗜好なんかも)を知っていたり
考えたりできて「こいつらは約束を守らない可能性がある」ということを踏まえて、逆にそれらをうまく使いながらもきちんと金を回収できる人じゃないかなと。(書いてて思いますけどすごいスーパーマンですよね笑。僕は無理です笑。もちろん他に想像もつかないことがあるんでしょうけれど…)
日本を出ることで得られる学び
国同士の情勢と自分の友達を同列に並べることの意味
この「〇〇はこうだ!」というものは、言葉は悪いけれど印象操作なんかにも繋がってくる。
例えば一時期ワールドカップの時に韓国サポーターが日本の旗を燃やすような映像が出回ったり、ある国の人たちはこうだ!みたいなニュース記事ってありますよね。
そういうものを見ると確かにイラッとしたり、あまり良い印象は抱かないかもしれない。ただ「それが全て」と思ってしまうことは危険。
僕が出会った中で一番親切に色々助けてくれたのは韓国人だし、アツくていいやつが本当に多いと思う。
29歳で親の会社経営を手伝っていた韓国人の友人と一度政治について話した時に
「日本のことは勉強したし、正直嫌いな部分もあるし、あまり日本に良い印象を持ってない人もいるのはいる」と言ってました。ただその後に彼が言ったのが
「でもそれ(歴史や外交)と、俺とお前の間柄は何の関係もないよね」と。
これが僕を変えました。「世界のことなんて何にも知らないくせにネットで知った気になってるの自分じゃん」と。
そんなにお互いペラペラしゃべれる訳でもないのに、そんなこと言ってくれるんですよ?本当その通りだし国を越えてそんな風に思ってくれるってのは嬉しい以外なんでもないですよ。(ちょっと泣きそうでした)
で、そんなあとに再度同じ映像を見た時に「これを見た人を、恐らくこういう方向に持って行きたいんだろう」といったことは本当によくわかるようになる。なぜそんな映像が出回るのかを考える方が大切。
いろんな情報に言えることだと思います。怖いと思う前に、
- 背景に何があるのか
- 誰に対しての情報なのか
- そもそも事実なのか(憶測でないか)
- 大事な要素が抜け漏れていないか
といったことが大事で、別にニュースじゃなくても携帯の機種変する時に契約書の隅ーーーーーーっこに小ちゃい字でなんか書いてあるとか、街角にあるポスターとか広告は誰に対してのものなのかとか、同じことじゃないかなーと。
極論言えばニュースが本当かどうか確かめようがない訳で気にするより目の前のことやった方がいいってのは紛れもない事実。ニュアンス豊富な日本語ですら(だからこそ?)正確に伝わらない可能性は高い。
ただ、日本の中と外では情報にかなり差があることは事実だと思うし、そんなことを身をもって勉強してもいいかもしれない。なんであれ、難しい世の中だ。
言語習得だけを目的に海外に行くのはもったいない。
↑で書いてきたように相互理解とか文化的な学びだったりとか、違いを受け入れたりとか、1歩日本を出るだけでたくさんのことが待っています。だから「英語を学ぶために」って理由だけで海外に行くのって純粋にもったいないと思います。
「yes!」と「 help me please!」だけで飛び込んでいく勇気の方が絶対役に立ちますよ笑。
長距離電車とバスで一人旅をしててどうしても駅にたどり着けず
「アカン…間に合わなかったらマジ野宿コースや…」って時に通りすがりの女性に聞いたら
とか言ってくれます。
「boyって年齢じゃねーよ」とか思いながらも一緒に走って駅まで連れてってくれてその時は子供に返ったみたいに純粋に嬉しくて。そんなこともいい経験だったなぁ〜って思います。
(…写真は盛りました。えぇ、だいぶ盛りました。ホントすんません。これ+30歳くらいの優しいおばちゃんでした)
できなかった=逃げではないということ。
で、そんなことを書いておきながら、仮にそうなれなかったとしても別にいいと思います。言葉が思った以上に伸びなくとも、役に立たなそうでも。すごくツライことも多いですもん。
ご飯が美味しくない、友達がいなくて切実に孤独、ネットがいつでも使えない…ストレスなんて山ほどあります。だから「すごく楽しい!住みたい!」と思う人もいれば「マジ無理帰りたい…」って思う人もいる訳で。怖くて一歩も外を出れなくなってしまう人だっている。
どう感じるかは「行ってみて」経験しないとわからないことであって早く帰ることになったとしても逃げではないと思います。
それよりも海外に行くことができた、というその行動をとった自分を自信に繋げることができれば日本でどうなろうと生きていける。絶対プラスに考えた方がいい。
不安がある中で「日本人同士で固まる」ことは僕は行き過ぎなければ別にいいんじゃないかな〜って思います。(ほぼ無条件に)理解し合えるじゃないですか。ただ行き過ぎればこんな風にも思われてしまう。これも現実。
行く前に「海外行ってどうすんの?」なんて聞かれることも多いと思うけど本心で言えば
「行かなきゃわかんねーよそんなもん」って感じですよ。
そして帰国後にある会社の面接を受けた時に思ったことがあります。
(職務経歴書書くのが難しかったけど)向こうで働いていた時のことを
軽く書いておいて働いていた期間の前後3ヶ月くらいは空白があるようなカタチになっていて。
その間僕は語学学校に通ったり、旅してたりで、
当然その中に遊んでる時間ってのも含まれているんですけどその時にこう言われました。
「この3ヶ月間は何してたの?遊んでたんでしょ!?ははっ、いいねえ〜うらやましいねぇ〜」
もしかしたらこの発言の裏に「その後の僕の反応を見ることを期待した」
意図があったのかもしれないけれど、これも現実だと思います。かなり距離があります。
ただそれも理解できる。仮に僕が海外なんて行かずに日本に残り、面接官になっていたとして、
こういう海外から帰ってきた人が面接に来たら僕絶対、同じこと言ってると思いますから。
経験という主観入りまくりな情報を信じて良いか、判断は難しい訳で。
有名無名、肩書きや年齢に囚われず、客観的に物事を見る眼が必要になってきているのかもしれませんね。
本来なら自国だけで賄って生活できればベストだけど
海外にモノを売りに行く企業がもっと増えるかもしれない、外国人がもっと日本に増えるかもしれない、
今までになかったことが起こるかもしれない。そんなこといろいろ考えながら生活してきて、
外でバリバリやっていくよりも中でもっとできることあるなぁってのが帰ってきた理由です。
(日本の生活が好きだからというのがホントの理由なのは内緒ね)
と、いう訳でグローバル人材って
こんな感じよりも
こんな感じかもしれないですね笑。
(マジで)国際社会に適応できる人間でもなんでもないですけど、大きな受け皿を持った人間になりたいですね。
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